モンゴル国と日本の貿易・経済関係

モンゴル国と日本は1977年に経済協力協定を結んで貿易・経済協力を開始し、この枠組みで「ゴビ」カシミア工場が建設されました。社会主義時代には両国の貿易・経済関係はわずかでしたが、1990年に両国間で貿易協定が締結されました。
日本政府からモンゴル国への援助・借款は、民主化の強化と新しい社会経済体制構築、今日の発展の基盤を築くために重要な役割を果たしました。
モンゴル国の経済が力強く発展する新たなスタート地点に来ている今日、モンゴル国と日本の経済関係は、政府開発援助(ODA)に留まらず、貿易・投資・共同事業を含む幅広い枠組みで前進しています。具体的には、モンゴル国にとって初めての自由貿易協定となる経済連携協定(EPA)を日本と締結するための交渉を行ない、2014年7月に大筋合意に至りました。また日本の安倍晋三総理大臣は、我が国の経済を活性化させるための「エルチ・イニシアチブ」(2013年3月31日)「エルチ・プラス・イニシアチブ」(2014年7月22日)を提唱しました。
両国の経済関係は相互補完的かつ互恵的協力(win-win)の新段階に進んでいます。両国の貿易・投資、鉱物資源分野の官民合同協議は2006年以降6回開催されるなど定例化しており、民間の直接交流も拡大しています。
2014年は両国の経済関係において重要な意義を持つ出来事が多くありました。7月にはモンゴル国政府と日本経団連の共催で初めての「モンゴル・日本・ビジネス・フォーラム」が東京で開催されました。このフォーラムにはエルベグドルジ大統領を先頭に80社を超える企業の代表団が参加しました。
また駐日モンゴル国大使館は、2月に北海道、4月に静岡、11月に福岡で、それぞれ経済セミナーを開催し、2015年には沖縄・新潟・福井などで開催することを計画しています。

経済連携協定(EPA)について:
モンゴル国と日本のEPA締結交渉は、2012年6月から2014年7月まで7回行われ、大筋合意に至りました。2014年7月にエルベグドルジ大統領が訪日した際に、両国のEPA締結大筋合意が発表されました。また両国の貿易・投資を促進するための共同声明に証明されました。EPAは両国の「戦略的パートナーシップ」関係を強化するための重要な一歩となります。

官民協力:
2006年にモンゴル国産業貿易省(当時)と日本の経済産業省の間で始まった政策協議は、官民連携を推進する見地から「貿易・投資」「鉱物資源」の「官民合同協議会」として拡大され、2007年から毎年、両国で交互に開催されてきました。第7回官民合同協議会は2015年3月に日本で開催される予定です。官民合同協議会以外にも、両国の省庁間直接交流は活発になっています。環境・道路運輸・建設・都市計画・農牧業などを所管する省庁間協力が確立し、分野別政策協議が定期的に行われています。

モンゴル国における日本からの投資:
近年、日本からの投資誘致、銀行・金融分野の連携が進んでいます。1990年から2013年までに日本からモンゴル国への総投資額は2億3000万ドルに至っています。これを分野別で見ると、商業・飲食業・金融・観光分野への日本からの直接投資が持続的に行われており、特に商業・飲食業分野への投資は今日まで全投資額の半分(1億230万ドル)を占めています。金融分野では今日までに1970万ドルが投資されており、全投資額の9.5%を占めています。その多くが最近の2年間に行われました。観光分野では1240万ドルが投資され、全投資額の6%を占めており、うち2012年だけで1020万ドルが投資されました。他の分野では建設(5.8%)、情報技術(4.6%)などの分野での投資が行われています。

モンゴルと日本の貿易:
2013年の両国の貿易額は4億5470万ドルで、2012年と比較して10%下がりました。2013年に我が国から日本への輸出は1050万ドルであり、2012年と比較して1.8倍増です。我が国の主要な輸出製品は石炭・畜毛・ニット製品・モリブデン鉱石・精鉱・家畜由来製品などです。2013年に日本から4億4420万ドルの製品が輸入されました。主な輸入製品は自動車・鉱山建設機械・電気製品・通信機器・食料品・日用品などです。輸入額は2012年と比較して12%下がりました。

日本からの政府開発援助(ODA):
日本のODAの枠組みで実施された案件は、モンゴル国の市場経済体制の確立、経済インフラの基盤整備、さまざまな社会問題、人間の安全保障、人材育成など幅広い課題の解決に多大な寄与をしてきました。具体的には、バガノール炭鉱・シベーオボー炭鉱の改修、鉄道の積み替え施設、ダルハンおよびウランバートルの発電所(第3、4発電所)改修などの案件は、我が国の経済危機からの脱却、投資活性化、貧困削減、雇用創出と国民生活の向上に極めて重要な役割を果たしました。日本からモンゴル国に対して、年間平均4500~5000万ドルの低利融資、3000~3500万ドルの無償援助、1000万ドルを超える技術協力が供与されてきましたが、我が国に対する外国からの援助の3分の1を占めています。
日本政府は2012年に我が国への新しい援助計画を策定しましたが、その重点分野を次のように明確化しました。
1.鉱物資源の持続可能な開発とガバナンスの強化(鉱山分野の持続的開発、資源収入の適切なマネジメント、ガバナンス強化)
2.全ての人々が恩恵を受ける成長の実現に向けた支援(中小企業開発を通じた工業分野の多角化、雇用創出、社会の基礎サービス改善)
3.ウランバートル都市機能強化(インフラ改良、都市計画・経営能力強化)
現在、我が国でODAの一般および文化無償援助の枠組みで5案件、ノンプロジェクト無償援助3案件、技術協力15案件、円借款4案件などの事業が成功裡に実施されています。

国際協力銀行(JBIC)および他の銀行・金融機関との協力:
2013年6月にJBICの渡辺博史副総裁がモンゴル国を訪問した際、輸出クレジットラインが設定され、これに基づいて実施段階に進んでいます。また2013年12月にモンゴル開発銀行はJBICの保証を得て10年償還300億円のサムライ債を日本市場で発行しました。2014年に日本のメガバンクである三井住友銀行、東京三菱UFJ銀行がウランバートルに出張所を開設し、両国の経済交流の活性化とビジネス連携のために積極的な活動を開始しています。