フレルスフ大統領夫妻と天皇皇后両陛下の懇談
フレルスフ大統領は、日本国の天皇として初めて行われている徳仁天皇陛下と雅子皇后陛下の国賓としてのモンゴル訪問が、共通の価値観と相互信頼に基づく両国関係の歴史において、金字塔として記憶されることになると強調しました。
また、モンゴル国と日本国との「人を基盤とする」「平和と繁栄のための特別な戦略的パートナーシップ」を一層深化させ、両国国民間の強固な友情と親交をさらに確かなものとするうえで、本訪問が極めて重要な意義を持つと確信することを表明しました。そしてモンゴル国における民主主義の確立、社会・経済の安定的発展、人材育成に向けて、日本国政府および国民の皆様から長年にわたり温かく真心のこもった支援をいただいてきたことに対し、モンゴル国政府と国民が深く感謝していることを強調しました。さらに、天皇皇后両陛下が今回のご訪問中に、人類の文化遺産、モンゴルの民の融和と独立の象徴となっている国民的大祭典「ナーダム」に貴賓としてご臨席されることを、モンゴル国民は心より歓迎し、感謝していることが述べられました。
天皇皇后両陛下からは、心温まるおもてなしをしてくださったモンゴル国政府と国民に対し、真心からの感謝の気持ちが表明されました。また、皇太子時代であった2007年にモンゴルをご訪問された際にも歓
迎されたことを回想され、今回は雅子皇后陛下とともに国賓として再び訪問し、モンゴルの美しい自然、歴史、文化、伝統に触れることを楽しみにしていると述べられました。
フレルスフ大統領は、信頼できるパートナーである日本国と共に、国際社会が直面する諸課題の解決に取り組み、人類の平和と安寧、地域と世界の持続的な発展に貢献していく決意を表明しました。気候変動や砂漠化への対策としてモンゴル国が進めている「10億本植樹(ビリオン・ツリー)」国民運動に対し、日本国と国民の皆様から力強い支援が寄せられており、またモンゴルの青少年が日本で学ぶための支援などについて感謝の意を表明しました。
大統領と天皇陛下は、世界と自然環境、特に「命の源」である水資源を大切に守り、その恩恵を適切に享受することの重要性について意見を一致させました。大統領は主導している水資源保全のための国家運動「青き金(ブルーゴールド)」の意義と成果について強調しました。また2026年にウランバートル市で開催予定の「国連砂漠化対処条約(UNCCD)第17回締約国会議(COP17)」に、日本から高位の代表団が出席することへの期待が表明されました。
大統領は、「大阪・関西万博2025」にモンゴル国が重要な意義を認めていることを述べ、2025年7月27日に開催される「モンゴル国ナショナルデー」を通じて、両国民の相互理解が一層深まることを確信すると述べました。
大統領夫妻と天皇皇后両陛下は、2019年の「即位の礼」、2022年の日モ外交関係樹立50周年の際に行われた大統領の訪日などを通じて交わされた心温まる交流を回想し、親しく語り合われました。